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『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

備忘録

2011年に読んだ本。思い出すままに・・・

「ねむり」 村上春樹
別冊カドカワ 総力特集 佐野元春
村上春樹 雑文集
「カラマーゾフの兄弟 1-5」 亀山郁夫訳
「竜馬がゆく 1-8」 司馬遼太郎
「指輪物語 1-10」 トールキン
「図書館戦争シリーズ」 有川浩
「レインツリーの国」 有川浩
「空の中」 有川浩 
「海の底」 有川浩
「シアター!」   「シアター!2」 有川浩   
「阪急電車」 有川浩        
「おおきなかぶ むずかしいアボカド 村上ラヂオ2」 村上春樹
「永遠の0 (ゼロ)」 百田直樹
「サウスポイント」 よしもとばなな
「ぐるりのこと」 梨木香歩
「裏庭」 梨木香歩
「八月の犬は二度吠える」 鴻上尚史
「エゴ・サーチ」 鴻上尚史
「極道めし 1-8」 土山しげる
「モダンタイムス (上)(下)」  伊坂幸太郎
「悪人 (上)(下)」 吉田修一
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」 村上春樹
月刊文藝春秋 12月号 (尾崎豊の「遺書」全文)
STORY POWER
Story seller 3
Fantasy seller
「不連続の世界」 恩田陸

相変わらずの、雑読ぶりです(笑)




ライブは18本(これは完レポ!)、映画館で観た映画が9本(『探偵はBarにいる』『ステキな金縛り』など
日本映画が傑出)、DVDで観た(何本だっけ?)中では
『ブルース・ブラザース』が今観てもやっぱり秀逸だったな・・・

本は、まぁまぁ読めた方だと思います。
と言っても、「竜馬がゆく」は5巻途中ででSTOP状態。時代としては池田屋ノ変のあたり。
はよ読めや、と自分でも思うけど、他にいろいろあるとそうもいかないのよね~(ぶつぶつ)
その割には、「ゲド戦記」を再読中でもあり(^^;
まぁ、レビューがほとんど書けていないので、そこはちょっと反省。
以下、感想のようなものです。







「Story Power」  「Story Seller」 「Fantasy seller」 「不連続の世界」については
ネタバレできない個人的事情があるのでレビューはパス。
ただ、他の本を読んでみたくなった作家さんがさだまさしと、宇月原晴明、堀川アサコ。
アンソロジーは、こういう新しい出会いあるので読んでて本当に楽しいです。

久々にてこずっているのが村上さんと小澤さんの対談本。
クラシックはさっぱりわからん・・・というか、村上さんマニアックすぎ。
そうそう、「セイタカアワダチソウ」を見るたび村上さんを思い出してしまって困ってます。
田舎ですゆえ、セイタカアワダチソウが群生している空き地などはそこらじゅうにあり
散歩(最近はまったくしてない)で、それを見るたびムフッとなるのは
誰も見てないとは思うけどちょっとヤバいと思うんですよね。
誰か村上さんの為に、略語を考えてあげてください。


ある時期、貪るように(笑)食べていたばななも、今はその時期じゃないらしくて
全然読み返すこともできず (しないんじゃなくて、できないのは何でだろう?)
そんな時、表紙の写真に呼ばれて手にした「サウスポイント」。
物語の主な舞台はハワイなのだけど、相変わらずエキセントリックな生い立ちだったり
スピリチュアルな力を持つ登場人物に
大きな影響を与えている人物が住んでることになっている場所にものすごくびっくり!
あぁ、つながってるんだなぁってうれしくなってしまいました。
それだけなんだけど、しっかり滋養強壮。
そういえば、この後読んだ梨木さんの小説のプロローグ的存在にもなったなぁ。
表紙の写真の場所にも、いつか行けるんじゃないかって思い込んでます。


有川作品は、本当に「妄想喚起力」(←有川作品のひとつに出てくる言葉、気に入りました(笑))がすごい!
今、デビュー作の「塩の街」を読んでるところだけど、自衛隊三部作もおもしろいね~(^^) 
どこからそういう発想が生まれるんだろう?? めちゃマニアックだし!
シアターシリーズが完結していないのでまだわからないけど
SFチックな方が、らしくておもしろいなと思っていたら、「阪急電車」にやられました。
触れあわなければ気にすることもないし、ぶつかれば摩擦が起きる・・・
なんというか、そのすれ違い方が絶妙。
これ、映画公開前に読んでいたら絶対映画館で観てたと思う。
DVDは発売になっているので、”春になったらやりたいことリスト”の上位に入れておくことにしました。


「極道めし」も映画が見たかったのだけど、
残念ながら(というか、予想通り)岡山での公開はナシ。
でも原作マンガもおもしろかった~!
映画と言えば「モテキ」も観なくちゃ。



そして、梨木さんの「裏庭」。
一番ストンと納得した作品です。
寝食を惜しんで先を読みたい小説もあれば(「永遠の0」がまさにそれ!物語の設定、展開、
そして我々の世代が知っておくべき戦争の実情・・・・あれは傑作です!)
おいしいお菓子を大切に食べるように、ゆっくりゆっくりかみしめたい小説もある・・・
お菓子と違って読んでしまってもなくなるわけじゃないのに、
その“初めて”読む感覚を、大切にしたいという想いとでも言うのかしら?

河合隼雄さんの解説(←これもうれしかった(^^))の言葉を借りれば、これは、
“日本と西洋” “生と死” “男と女” “昔と今” “現実界と異界”
これらの対比と対応が見事に重なり合って、巧みな重層構造をなしている物語。
梨木さんは、心理学の雑誌などにも登場されていて、エッセイはちょっと難しかったりするんだけど
それを小説にして、大切なことをわかりやすく私たちに伝えてくれているような気がします。

照美がバーンズ家の古いお屋敷の大鏡を入り口にして入って行く裏庭はあちらの世界。
そこでは照美は“テルミィ”として、一つ目の竜の目玉を戻しに行く冒険をすることになります。


 自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を品評する方が遥かに楽だもんな。   
    スナッフの言葉。


 真の癒しとは鋭い痛みを伴うものだ。さほどに簡便に心地よいはずがない。
    おばばの言葉。
 
ハッとします。


 
がんじがらめになった照美の感情から解き放たれたものは
裏庭という現実ではない世界でのメタファーとしてではあるものの
とても残酷な行動となって現れます。
でもその痛みをもって、“本当の”照美の姿に自分で気付くのです。

あまりに辛いと、生きのびるために感情を押さえこんでしまいそうになるけれど
そのまま生きていくことはできない・・・
死を考えることは、生を考えることで
死にちゃんと向き合わないと、なんとなくぼんやり生きてしまうことになる・・・
傷は体に残って、傷が意思を持って体をむしばんでしまう、と。


悲しいときには、ちゃんと悲しむ。
悲しい、寂しいという感情をどこかに押し込めたままにしておくと、よくないと思うのです。
そんな時に「ゲド戦記」を読みなおしました。
前回読んだ時とは、明らかに違う言葉が残りました。
今、自分の持っている傷をみせてくれる物語です。
死、という大きなものでなくても、悲しみ、寂しさと折り合いをつけなければいけない事は
実生活の中でもありますよね。
それにかかる時間は、悲しみの大きさとは比例しないし
その方法は、やはり自分で納得しないと意味がない。
前出の「サウスポイント」も、描き方はまるで違うけれど、死と向き合う物語でした。
こういう物語を自分の中にいくつか持っていると、この先何があっても力になってくれるような気がします。


未曾有の大災害を時間がたってもずっと忘れないでいるために
これからも個人レベルでできることをし続けるために(Keep sending!です)
そして個人的な試練の年に
少なくとも誰か替わりを求めたりはしなかったというささやかな自負を持つことができて
今年、この本に出会えてよかったと思います。


真実が、確実な一つのものでないということは、真実の価値を少しも損ないはしない。

2011年も良い本にたくさん出会えました(^^)

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by ungalmatsu | 2011-12-29 16:05 | 本を読む