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『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

図書館にハマる

こう暑いと仕事以外でPCに向かう気が失せ、
なかなか更新できずにいましたが
久々におもしろい本に出会いました!


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有川浩 図書館戦争シリーズ 
   (角川文庫)

シリーズ① 図書館戦争
シリーズ② 図書館内乱
シリーズ③ 図書館危機
シリーズ④ 図書館革命
5か月連続刊行のうち、本編のシリーズ④までを読了。



果たして堂上は郁に何度「アホか貴様!」と怒鳴ったか(笑)


物語の舞台は、昭和から「平成」ではなく「正化」に変わった2019年。
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」(実質上の検閲の合法化)
が施行された世界。
強権的かつ超法規的にメディア良化法を運用する「メディア良化委員会」と
その実行組織「良化特務機関(メディア良化隊)」の言論弾圧に唯一対抗できる存在が図書館。
かくして図書館は表現の自由を守るために武装し、良化特務機関との永きに渡る
抗争に突入することになる・・・


図書館の本を守るために武器をもって戦うなんて!
戦う相手はメディア良化隊で、一般人に銃が向けられることはないとはいえ、
そんなのあり得な~い。
こんな世の中になったら嫌だ~~~~!


と笑って読みたい本です。(ってか、笑って読めなくなったら大変。)



主人公 笠原郁  形状記憶合金
        (落ち込んでも僻んでもそのままへこたれていることだけはない)
上官  堂上篤  かつて本屋で高校生だった郁を守った
        (郁はその時の図書隊員が堂上だと気付かず)
郁の同僚 エリートの小塚 
郁の同部屋  すごい美人でこわいほどの情報魔 柴崎麻子
郁の上官たち 小牧 玄田

その他、揃いも揃って口悪し(笑)
その会話のテンポが絶妙でどんどん読めてしまいます。

そして舞台設定としては硬派なのだけど、そこに絡んでくるベタ甘の恋愛が・・・
絶妙なのです。
ホントもう読んでるだけで痒いんだけど、実はこういうの好きだったりして。キャー(笑)

ベタ甘な中でも特に一番気に入ってる場面は、「図書館革命」の
「お前、カミツレ欲しがってただろう。貸してやる。必ず返せ。」ってところ。


そして、私の好きな痛いセリフもちりばめられていて、もうたまらんです(^^;

例えば、小牧が手塚に「言いすぎ。正しかったら何を言ってもいいわけじゃないよ。」とか
柴崎が郁に「何を言われても当然ってのと、何を言っても当然ってのは違うのよー。」とか
堂上が郁に「お前はな、喧嘩になるタイプだよ。本気で喧嘩になって本気で傷つけるんだろうよ。
     相手を。それで自分も本気で傷つくんだろうよ。これは自分は傷つかずに相手だけ
     傷つけようとする奴の思いつくことだ。お前は違う。」とか。



そうそう、これは著者の有川さんが言われてたことですが、
禁止用語というのは概ね自主規制なんですと。
読者からの苦情が来たら困るから先回りして言葉を摘む。
摘んだ結果が蓄積されて禁止用語はじわじわと根拠を得て確立してしまう。
誰から何を言われたわけでなくても、自主規制したそのことが積み重なって根拠になってしまう。
そもそも「メディア良化法」が成立した理由は、国民(つまり我々)の無関心だっていうから
耳が痛いじゃないですか。



4巻にわたって巻末に収録されている、「有川浩×児玉清」文庫化特別対談も読みごたえありです。
対談としては児玉さんの最期のお仕事になってしまったのかな?
児玉さんの本に対する愛情があふれてて、これを読むためだけに文庫版を買ったって
惜しくないくらいです。



あと、笑っちゃったのは、「図書正」(としょせい)という階級名が、
アニメ化された時、声優さんに大不評だったって話。

「こちらは関東図書隊だ!それらの書籍は図書館法第三十条に基づく資料収集権と
 三等図書正の執行権限を以て、図書館法施行令に定めるところの見計らい図書とすることを
 宣言する!」

確かに、言えないです(笑)



とにかくそれぞれのキャラクターが生き生きとしてて、読んでて楽しい本です。


あり得ないでしょ。
でも考えさせされこともある。
少し危機感も覚える。
そして図書隊は正義の味方じゃない。


その辺の意味も含めて、本が好きな人には絶対オススメです(^^)


さて、次は同じく有川さんの「シアター」シリーズを読む予定。
ってか、そもそも「シアター」を買おうと思って行った本屋で、
先に「図書館シリーズ」を手に取ってしまったのでした。
ま、よくある話ってことで・・・
by ungalmatsu | 2011-07-16 12:22 | 本を読む