『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

カテゴリ:本を読む( 106 )

ゲド戦記 読了

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「ゲド戦記」全6巻を読み終わりました。
「ゲド戦記外伝」は物語のヒントになる内容なので先に読み
この「ゲド戦記Ⅴ アースシーの風」が
長い長い物語の終わりとなりました。

物語の舞台となる“アースシー”という多島海世界(アーキペラゴ)は
架空の世界であり、登場するのも魔法使いや竜といった架空の
存在であるはずなのに、ここに描かれているのは、今まさに
私たちが生きて暮らしているこの世界なのではないかと感じながら
読んでいました。



「今、読むべき本」と言われた理由がわかったような気がします。
最初は無知な少年だったゲドが、魔法使いとして学んで成長し、アースシーに平和をもたらす
までの存在となるが、やがて年老い1人の人間として故郷の島へ帰る・・・
その過程の中でも、最終的にも、ゲドが手にしたものは勝利でも敗北でもない・・・・そんなお話。
けれども、ゲドと、オジオン、テナー、レバンネン、そしてテハヌーといった存在との関係に
物語を通して私たちが見るものは、とても大きくて、とてもとても大切なことです。

人と人が本当に理解しあう、ということは、夜空の星を見上げるようなものなのかも知れません。
離れていても同じ空を見ることができる、と同時に、隣で見上げても、その人と“全く”同じに
見えているわけではないことを知っていて、お互いに学びあうことができる。
忘れてはいけないのは、見方は自由であること。そして夜空の星は誰のモノでもないということ。
「ゲド戦記」を読み終わって私が受け取ったのは、そういう感覚でした。

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一気に集中して読むには、膨大すぎます。
私もずいぶん寄り道しました。
そういう読み方でいいと思います。

おもしろくてぐいぐい引き込まれることもあれば
だらだら続くこの描写は、果たして必要なのかと
思うこともありました。
読み終えた今では、そのひとつひとつが
どれも無駄ではなかったような気がします。

心に残った言葉もたくさんありました。
あまりにたくさんあったのと、
読む人が、自分で見つけたほうがいいような
気がするので、ここで言葉だけを取り上げる
のは止めておきます。
そんな言葉に出会ったときの
ハッとする感覚をぜひ・・・

ひとつだけ
「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い」 はじまりの言葉です 
                           →


今すぐでなくて、何年かたってふと思い出した時でもいい・・・
この物語の扉を開くきっかけになってくれたら、こんなにうれしいことはありません045.gif
私もいつかまた、もう一度最初から読み直すでしょう001.gif
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by ungalmatsu | 2009-04-29 22:09 | 本を読む

ついでに、ぽちっとな

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これをぽちっとしたついでに(と言うか?)
これもぽちっと・・・

『ゲド戦記 全6巻』

しかも少年文庫版が出たことに気付かず
ハードカバー版をぽちっとしてしまったため

高い!
重い!
でかい!

という3重苦を抱えた買い物になってしもた・・・
ついでに言うなら、しまい場所もない(苦笑)

しかし、ハードカバーってのは寝るときに読むのに適しません、つくづく(^^;


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『ゲド戦記』を読むきっかけになったのが、
このフリーペーパーブック『ゲドを読む』

中沢新一さん“『ゲド戦記』の楽しみ方”の中の一文。

今、読むべき本は、みんなが海に落ちるのを恐れているときに、自ら海に飛び込んだり、自分で小舟を漕いで嵐の海を渡って別の陸地を見つけて書いた人の本です。(中略)そういう人の作品は読んだほうがいい。船に乗ってただ怯えているよりも、ここが一体どういう海で、自分たちはどこにいるのかを知るほうがいいと思います。


トールキンの『ホビットの冒険』や『指輪物語』、ダンテの『神曲』、ドストエフスキー、
そしてル=グウィンの『ゲド戦記』。


読み始めてみると、4重苦も何のその!
児童文学とは言え、子供だけに読ませるのはもったいない、おもしろい本です!
おもしろくて、深い!

たとえば、ハイタカ(=ゲド)のこんな言葉。
わしらだけは幸いなことに、自分たちがいつか死ぬということを知っておる。これは人間が天から授かったすばらしい贈り物だ。ひとりの人間としてこの世にあるという・・・・・・な。それというのも、わしらが持っているのは、いつか失わなければならないとわかっているものばかり。喜んで失っていいものばかりだからさ。わしらにとって苦の種でもあれば、宝物でもあり、そして天の慈悲でもある。ひとりの人間としてこの世に存在することも、いつまでも同じように続くものではない。変わりもするし、なくなりもする。海の波ひとつと同じでな。そなたは、ひとつの波を救うために、そなた自身を救うために、海を静め、潮の流れを止めようと思うかい?自分の身の安全、その永久の安全を手に入れるためなら、持っている技を放棄し、喜怒哀楽の情を放棄し、日の出、日の入りのあの太陽の輝きが見られなくなってもいいと思うかい?


う~~~ん、どうです?この深さ・・・
言葉通りに受け取っても、何かを象徴していると受け取っても深い。ものすごく深い。
こういう言葉を本当に理解できたとき、手にしているのが自由ということなんだろうなぁ。

まだ読破までには時間がかかりそうだけど、どこまで深い井戸が掘れるのか楽しみです。

『ゲドを読む』を読んで『ゲド』を読み、もう一度『ゲドを読む』に戻って(ええ~い、ややこしい!)
河合準雄さんの“『ゲド戦記』と自己実現”を読み、そのおもしろさをもっと深く知りたい(^^)
というのが、目下の目標でございます。
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by ungalmatsu | 2009-04-12 21:10 | 本を読む

よん&むー

某ライジングサン新聞の書評に載っておったもんで、気になって気になって・・・
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「伊藤潤二の猫日記
    よん&むー」


はい、見ての通り、マンガです(笑)
しかも、伊藤潤二さんてのはホラー漫画家!

ホラー漫画って小学生の頃に流行ったような・・・
同じ頃、ミステリーマガジン(というよりオカルト雑誌に近かった)『ムー』ってのも流行ってて
買ったはいいけど、怖くて、でも逆に捨てらんなくてつい最近まで持っていたような・・・

なので、この「よん&むー」という猫の名前も、不吉な数字「4」と、その「ムー」なのかと思ったら
何のことはない、家に来た4番目の猫が「よん」、次に来たのが「五郎」、
その次なので「むー=6」。    な~んだ(笑)

帯に「禍禍しくなんてないですよ?」とある割には、十分にまがまがしいです(^^;
なんてったってホラー漫画家の絵ですから!
人間にはそのつもりがないのに、どんどん生活を侵食していく猫の恐怖・・・
んが、背中にドクロの模様がある呪いの猫「よん」は、
要するに牛柄の変な顔の猫なわけで(笑)
つまりは・・・・このようなお方なんですよね!

あぁ、おもろかった~003.gif  猫好きさん、ぜひどうぞ049.gif


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そして、同じく某ライジングサン新聞の
書評を見て買ってしまった本。

『心と響き合う読書案内』
      小川洋子


こうやって寄り道ばっかりするから
読みかけの大作がなかなか進まないんだってば!
        (ぶつぶつ独り言・・・)
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by ungalmatsu | 2009-04-10 21:10 | 本を読む
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それにしても
なんというタイムリーなタイトル!

「生きるとは、自分の物語をつくること」
    小川洋子、河合隼雄


「河合先生が倒れられる直前に
奇跡のように実現した貴重な最後の
対話」(帯より)です。


ちゃんと読めてないんじゃないかと思って読み返したくらい、
あんまりにもすいすい読めてしまいました。

つづきを読む
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by ungalmatsu | 2009-03-29 20:59 | 本を読む

百年の孤独

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読みました。
と言うより、
読んだったわ!鴻上さん!!!
という感じ(笑)

百年の孤独
  G・ガルシア=マルケス


実際には「字面を追っただけ」です。はい。

マコンドという南米の村を舞台にした、
ブエンディア一族の百年の孤独の物語ですが
あまりに多くの人物(100人以上!)が登場するだけでなく、例えばアウレリャノという
名前の人がやたらめったら出てきたりして、もうわけがわかりません。
100年という時の流れの中にある、過剰な出来事、過剰な愛、過剰な死、過剰な反応。
次々にやってくる膨大な情報の波に圧倒されただけのような気がします。
巻末の梨木香歩さんの解説を読んで、ちょっとホッとしたけれども・・・

自分の抱える孤独と同じ孤独が、この中にあった、のかも知れません。
だけど、「そんなちっぽけなことはどうでもいい」とさえ感じる、
そういう意味ではエネルギーにあふれた物語でした。
物語が現実の解釈でしかないとするならば、
私達は現実が「めでたしめでたし」で終わらない事を既に知っています。
だからこそ、ハッピーエンド(も、もちろん好きだけれど)の中だけでなく
デッドエンドの中にも希望を感じる力を持っている、
それがすなわち生きる希望なのだと、私は思います。


ふぅぅ・・・・やっと解放されました・・・
そして、今日また、ここからつながる本に出会ってしまったようです(^^)
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by ungalmatsu | 2009-03-22 20:14 | 本を読む
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『人生に希望をくれる12の物語』
     鴻上尚史 (講談社)


この本で紹介されている12の物語とは・・・

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス
「百年の孤独」G.ガルシア=マルケス
「泣いた赤おに」浜田廣介
「友達」安部公房
「人間失格」太宰治
「贈る言葉」柴田翔
「劇画・オバQ」藤子・F・不二雄
「大いなる助走」筒井康隆
「変身」フランツ・カフカ
「セメント樽の中の手紙」葉山嘉樹
「ガープの世界」ジョン・アーヴィング
「羊をめぐる冒険」村上春樹


鴻上さん曰く
  
単純にストーリーが希望に満ちているとか、気持ちよく泣けるということと、
本当の意味で生きる希望を感じる事は、別なんじゃないかと僕は思っています。



この本を読むにあたって読み返したもの
「友達」 「変身」 「羊をめぐる冒険」(~勢いで「ダンス・ダンス・ダンス」)

読んだ記憶のあるもの
「アルジャーノンに花束を」 「人間失格」 「ガープの世界」 「泣いた赤おに」

今回、新たに読んだもの
「贈る言葉」

んで、いま「百年の孤独」と格闘中(笑)
鴻上さんも「要約するのは不可能なほど荒唐無稽で、読んでも読んでも終わらなくて、
間違いなく誰が誰だかわからなくなる」と言うこの物語を、なぜ手に取ってみたかと言うと
「自分の小さな現実と正反対の過剰な物語」を読むことで得られる解放感というものを
味わってみたいと思ったから。

 物語とは、つまりは、現実の解釈です。自分の身に起こったことを、どう解釈して自分を納得させるのか。どう相手に伝えるのか。そこからすべての物語は始まります。そして、人間は、もちろん、現実を自分の都合のいいように解釈します。
 そして、たぶんこれが一番の問題なのですが、人は現実に疲れれば疲れるほど、より分かりやすい物語を求めるようになるのです。


「贈る言葉」はうんうん唸りながら読みました。
これを20代で読んでいたらどうだっただろう・・・
30代の半ばでもわからなかったかも知れない・・・
でも、今、この年で読んだからこそ、ひたむきに生きる不器用さを
理解できたような気がしました。
が! 「百年の孤独」は、まだ1/5ほどしか読んでいないのに、すでに訳がわかりません!
私はいつ解放されるのでしょうか・・・・
果たしてその日が来るのか、これもある意味、生きる希望?!
『人生に希望をくれる12の物語』では、それぞれのあらすじも紹介されているので
まずはこれを読んでみるだけでもおもしろいと思いますよ。

鴻上さんはいつもいろんな形で生きる希望をくれる人です。

こういうのもあるから好きなんです(^^) → サンデーオトナラボ    聴いてませんけど!
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by ungalmatsu | 2009-03-14 21:11 | 本を読む

つながる

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「おっ!おもしろそう」と思って手に取ったものの
意外にシワくててこずっています(^^;
「こころの声を聴く 河合隼雄対話集」

それぞれの著書1冊をテーマにした
10人との対談はおもしろいんだけど・・・
レベル高い・・・

まずは、詩人、谷川俊太郎さんから。
ここでは谷川さんの詩集ではなく、河合さんの『こころの処方箋』をピックアップ。
常識についての言及には「なるほど」です。
ちなみに、谷川俊太郎さんのご子息、谷川賢作さんはピアニストで、サンポーニャ奏者の
瀬木貴将さんのレコーディングやツアーに参加されていた“パデランテ”のメンバーでした♪
そして、なんと!
谷川俊太郎さんは御徒町凧さんと「詩の朗読会」なるものをやってらっしゃるようで!
何てったって最近ハマっているのが、その名も「御徒町凧のブログ。」
「言葉」というものに対する“無意識”を、
ふと呼び起こしてくれるような感じの文章がとても好きです。
谷川さんでググッてて見つけた、こちらもおススメ→谷川俊太郎質問箱(ほぼ日刊イトイ新聞)
河合さんを含め、共通しているのは読んでると落ち着くってことで
その理由は、どれも言葉としては難しくなく、【腑に落ちる】ってとこでしょうか。


そして、次に読んだのは村上春樹さんとの対談。(テーマは『ねじまき鳥クロニクル』。)
この二人の対談はやはりおもしろい。
日常レベルでの共感と、
井戸をひたすら掘り進めてって地下水を掘り当てるというレベルでのつながり。
そのための物語の必要性、などなど。
村上作品を読む上で、もちろん知らなくてもいいけど、
知ってたらもうちょっとわかる(かも知れない)あれやこれや・・・って曖昧すぎですが(笑)

で、この「物語欲」って鴻上さんの世界につながるよなぁ・・・・・・と思っていたら
知らない間にこんな本が出ているではないですか!?
    ↓ ↓ ↓
「人生に希望をくれる12の物語」
えらいこっちゃ!!!!!で、さっそくクリック(^^)v

他の対談は、遠藤周作(好きな作家が村上龍と遠藤周作、という高校生だった。)、
安部公房(これも高校~大学にかけて。これがまた鴻上さんとつながる。)、
山田太一、白洲正子、沢村貞子、多田富雄、富岡多恵子、毛利子来。
どうやら噛み切れないものもありそうだけど(苦笑)
時間をかけて言葉をワシワシ味わうというのもまた楽し。 

さて、鴻上さんの本が届くまでに『羊をめぐる冒険』を読みなおしておくかな(^^)
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by ungalmatsu | 2009-02-25 21:14 | 本を読む

なるほどの対話

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完全インドア生活続行中につき(^^;

久々にゴリゴリッと“身体で読んだ感”のある
本でした。

『なるほどの対話』
  河合隼雄×吉本ばなな

     (新潮文庫)


お2人の対談集・・・なるほど、です(笑)






もう亡くなってしまったけど、ちょうど自分の父親くらいの年齢の河合さんと
自分よりちょっと年上のばななさんが、全身全霊でぶつかる対談を読んでいると
ばななさんの小説にどうしようもなく惹かれる理由とか
河合さんの本を読んでココロが楽になる理由とか、の3割くらいがわかったような気がする・・・




って、3割かよ?!

でも、その理由が全部わかっちゃったらおもしろくないでしょう?

今回は内容の紹介は一切いたしません。
対談集は小説やエッセイよりも、好き嫌いが分かれると思うので敢えておススメもしません。

「ゴリゴリッ」の感じが、私はすごくおもしろかった!とだけ、言っておきましょう。

ちなみに・・・
『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』での村上さんと河合さんの対話は
「コリコリ」という感じです。           なんのこっちゃ(笑)

でもやっぱり、「河合さん、さすが!」ってことでしょうね(^^)
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by ungalmatsu | 2009-01-26 22:16 | 本を読む

みずうみ

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5本目の“ばなな”です。
偏食気味(^^;?

「みずうみ」
  よしもとばなな










これまで読んだばななさんの小説は、
どれも非常に“効き”ました。
もちろん私には、であって、誰にでも、ではないと思うけれど、
『キッチン』が背中を少し押してくれたように
『ハゴロモ』が不思議な縁を信じさせてくれたように
『うたかた/サンクチュアリ』が希望をちょっと見せてくれたように
『デッドエンドの思い出』が幸せな感じを思い出させてくれたように、
つたない言葉を並べるよりも、ばななさんの本を渡して読んでもらえばいい・・・
好きなのに、なぜか、うまく感想をまとめることができないので・・・

この人の小説を読んだ時に、切なさがひしひしと伝わってくる中で
心のどこかがふっとゆるむ、その感じが私は好きなのだと思います。
そこに、「誰が見ても幸せそうな幸せ」はなくても、
登場人物たちが辛い(しかも割と特殊な)体験をしていても、
目を閉じないでちゃんと自分の足元を見ている、というか。
だから読んでいるほうも、切なくてたまらないのに
「何だかいいなぁ」なんてついつい思ってしまうのかも知れません。
あとはそこに存在する「沈黙」、あるいは「間」、あるいは「距離」。
だってそれを心地よいと思うことは、お互いが相手を認め合っていて、
しかもどんなに親しくなっても相手の踏み込んではいけない領域に
入ったりしないという信頼関係があると思うから。
それは相手が恋愛の対象であろうとなかろうと・・・・



この『みずうみ』は“再生”の物語です。

過去にとんでもなくひどい経験(物語の最後で、それは明らかになる)をした中島くんと
ちひろが一緒にいるのは、“ただの必然”と中島くんは言うけれど、
ちひろと一緒にいることで再び中島くんの時間が流れ出します。

中島くんには本当に弱いところがあって
「ここは感動して男が女を抱きしめて、女が泣くシーンじゃないか?」というところで
中島くんのほうが泣いちゃったりするけれど、そんな中島くんと一緒にいることで
いろんなことから確実に回復していく、ちひろ自身の目線にたってみると
預言者のようなチイやミノくんといった不思議な存在も、“あり得ること”として
読みながらすんなり受け入れられてしまう・・・・これは“ばななマジック”?

「心配しあって、抱き合って、いっしょにいたがるだけではなくて、じっと抑えているからこそ
絶対的に伝わってくる」ような、ちひろとパパの愛もあります。

中島くんの存在のあまりの真剣さに戸惑いながらも受け入れようとするちひろの願いは
「ただこの世にい続けようとしてほしい。戦ってよ。」

その希望を持って物語りは終わります。(この“終わり方”も私のばなな好きな理由のひとつ)


『みずうみ』は、過去にとらわれて動けない(と思い込んでいる)頑なな心を
解きほぐす力があるのかも・・・この本も、私には効きました(^^)
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by ungalmatsu | 2009-01-21 20:44 | 本を読む

イリュージョン

「やあ、君がなぜか寂しそうに見えたんだよ」
すると彼は柔らかい声で答えた。
「君だってそう言えばそう見えるぜ」
「じゃまかな?じゃまなら消えるけど」
彼は、少し笑って言った。
「いや、待ってたのさ、君をね」


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古い複葉機で町から町へと移動し、10分3ドルの
遊覧飛行で生計を立てているリチャードと、
同業者で、かつては話題の救世主だった
ドンことドナルド・シモダの出会いの場面。

  「イリュージョン」
     リチャード・バック / 村上龍・訳








この本を最初に読んだのは、もう18年も前らしい。
その後何度か読み返してはいて、今またひょんなつながりから一昨日引っ張り出してきて
もう一度読んでみたのだけれど、今までわかったような気になっていたのは
それこそ“イリュージョン”(錯覚)だったのかしら?  と、思ってしまった。
リチャード・バックといえば「かもめのジョナサン」のほうが有名だと思うけど
私は読んだことが、ない。たぶんない、と思う(苦笑)
     (それにしても・・・・これが村上龍訳だということに、今になって気付くとは・・・
                                         お前の目は節穴か?!)


リチャードはおかしなおかしなドンから救世主になる方法を教えてもらう事になる。
そのテキストが『救世主入門~三歩先を行く精神が心がけるべきこと~』(笑)
それがどんなものか知りたければ、どうぞこの本を手に取ってみてくだされ(^^;

けれど、ドン曰く
 いや、こんな仰々しい入門書でなくてもそれはできるんだ。聖書、仏典、そんなものである必要はない。スリラー小説、ラブレターの書き方の練習帳、何年か前の新聞、ギターの教則本、やったことない?こうするんだ、頭の中に妄想の渦巻きを起こす、“俺は自殺すべきかそうでないか”といったようなことを思い浮かべて、何でもいい手近にある本を開くのさ、精神を集中してそこに書いてあることを読むんだ。そうすると、ギターの教則本が、自殺に関する答えを出してくれる。


うんうん、やっぱりそうなんだ・・・

この「イリュージョン」は2006年に新訳が出ていて、村上龍訳とは全く印象が違うらしい。
今日行った本屋では見つからず・・・けど、また読むべき時に見つけられるだろう。

真の自由とは何か?  それを知りたい人に、今なら自信を持っておススメできる1冊です(^^)

「いや、待ってたのさ、君をね」
それを聞いて僕も微笑みを返した。
「そうかい、遅くなってごめんよ」

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by ungalmatsu | 2009-01-11 00:16 | 本を読む