『小確幸』探求の日々

ungal.exblog.jp

毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

キッチン

b0082834_23141934.jpg
「キッチン」
  吉本ばなな
     (新潮文庫)


その昔、鴻上尚史さんの『恋愛王』で紹介されていた一文がず~っと気になっていて、やっと初めてちゃんと読むことができました。初・ばなな。






この本には『キッチン』『満月―キッチン2』
『ムーンライト・シャドウ』の3作が収められていますが、
『ムーンライト~』はちょっと違うお話なのでおいときます。

物語のあらすじをここで改めて紹介する必要はないかな・・・
なるほど、ロング・ベストセラーなわけだ、と感心するよりは
メジャーなものを敢えて避けようとする、この性格を直さにゃイカン、と思いつつ(^^;


まず、えり子さんの人生観がすごい。
「人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは
 自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに
 大っきくなっちゃうと思うの。あたしは、よかったわ。」


そして、私が探していた言葉は、(当然だけど)物語の中で生きてくるのであって
そこだけが意味を持つものではないのだけれど・・・

「その人はその人を生きるようにできている。
  幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。」



私が、みかげと雄一を「いいな」と思うのは
2人とも、自分がひとりだということを知っているのに、ひとりであることを認め合わないところ。
この世の誰よりも近くにいるのに、手をつながないところ。(物理的にではなく、です。)
そのあいまいな緊張関係に耐えているところ。
(鴻上・注 : ひとりであるということは、決して、ひとりでいるということではありません。)


私は、「誰にも私の気持ちなんてわからない」って思っていながら
一方では、誰かに理解して欲しくてたまらなくなることがあるから・・・


「キッチン」を読んだ事がない人に、ものすごく暗い小説だと誤解されそうだけど(苦笑)
みかげと雄一の間には笑顔があって、それがお互いを救っています。

そしてキッチン=食べもの。

遠くへ行こうとしている雄一に、カツ丼を注文した後にみかげが電話をかける場面が好き。

ひどくばかげているけれど、私はその時、今からカツ丼を食べるんだ!と自慢することが
なぜかできなかった。なんでだか、この上ない裏切りのように思えてならなくて、雄一の頭の中では一緒に飢えていてやりたかった。


そう、この感覚・・・すごくわかるんだなぁ。
そして、この後、実際にこのカツ丼が“なにか”をほんの数センチ押すことになります。

「そういえば朝から何も食べてなかったな。お腹すいたな」
読み終わったとき、そんな気分にしてくれた本でした。
ばななも食べんとな(^^;
[PR]
Commented by RAN at 2008-09-10 23:50 x
え~・・・私は「食わず(読まず)嫌い」を治したいと思いつつ、
これがなかなか治せませんねやわ~(^^;)

ばなな・・・バナナは食べますが、ばななは未体験です(苦笑)。
本屋で立ち読みしてみたけど、イマイチ響いてこなくて
結局買わずに帰る、というパターンを繰り返しております・・・
ナニがいかんのやろか。自分でもよくわからんのですが。

何でもそうなんだろうけど、小説を1冊なら1冊、
1本なら1本を通して読まないと、
響く響かないは決めるもんじゃないのかもしれませんが・・・
しかし、「頁をめくる手がすぐ止まってしまう」のは、どうしたらいいのやら?(^^;)
Commented by ungalmatsu at 2008-09-11 21:16
★RANさんへ
私なんてアマノジャクで食わず嫌いな上に偏食ですわ(苦笑)
たぶん、治らんでしょうな(^^;

自分の心に響いた本が、他の人にとって同じであるとは思いません。
でも、この先どこかで、「そういえばあの時」って思い出してもらえて、
それが読むきっかけになってくれたらいいなぁと思いながら
紹介しております。
自分だって読む時々で、違う印象を持つのだから
違う人が読めば、違って当然なわけやし・・・・
ただ、自分の言葉で伝えられない何かが、同じ本を読むことで
伝わるってこともあって、そういう時はものすごくうれしかったりします。
それが、明日でも、何ヵ月後でも、何年後でも、何十年後でも・・・

ものすごく不思議だけど、その時に読むべき本って
タイトルや、表紙の絵や、帯の言葉が、私を呼んでるんですよね~(^^)
私も前の晩に、全然ちがう鴻上さんの本を読んでいて
唐突に「明日起きたら『キッチン』買いに行こう」って思ったのです。
大好きな鴻上さんが、この本を紹介するのを読んでから
実に18年後のことです・・・何なんでしょうね。
Commented by yumemi-m at 2008-09-11 21:49
うんぎゃるまつさん、お久し振りです。わー、鴻上さんだ、『キッチン』だ、……と思って嬉しく拝読しました。でも、こちらのRANさんへのコメントも更に素敵です♪
そうですよね、本ってまさに(いい意味での)時限爆弾みたいなもので、いつ読み手の心に効いてくるかは誰にも分からない……。
初めて読んだときにぴんと来なくても、時間が経つと全く違う印象を持つこともあるから不思議ですし、またそういうこともあるので面白くてやめられません。「本が呼ぶ」というのも、ホントその通りです。

ちなみに新しい作家の方の本を読むときは、1冊目でぴんと来なくても、3冊くらい読んでみるようにしています。(これは本好きの知人から教わったことで、実際に2冊目や3冊目でぴんと来た作家の方もいらっしゃるので、今でも実感しています。)
作家の方だって作品によって違う顔を見せるので、一冊だけで合わないと判断してしまうのはもったいないですよね。
私も本の感想を書くときは、少しでも(自分が感じた)本の良さや魅力のようなものが伝わって、読んでみたいと思ってくれるといいな、と願いつつ書いています。
……すみません、熱く語ってしまいました(笑)。 
Commented by ungalmatsu at 2008-09-12 21:13
★yumemiさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

しばらく活字から遠ざかっていて、またひょんなきっかけで戻ってきました(^^;
「時限爆弾」って表現・・・なるほど!!
“本を『自分で』読む”という行為で
自覚してなかった体調や心の状態に気付く事もあれば
まったく脈絡もなく「あの時のあれはこういうことだったのか!」って
気付くこともあったり・・・ホント不思議ですよね。

実は・・・・・・私は自分で読んだ本の中で
「これ、確かyumemiさんのところでも紹介されてたな」って本は
過去の記事を遡ってどんな感想を持たれてたのか
こっそり(笑)探してたりします。
同じ様に感じていたときはこっそりうれしく思い、
違う捉え方をしているときはこっそり感心し・・・・
読み逃げでごめんなさいm(_ _)m

次はどんな本が呼んでくれるのか、楽しみですね♪
by ungalmatsu | 2008-09-10 00:05 | 本を読む | Comments(4)