『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

ナラタージュ

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「ナラタージュ」
  島本理生



話題の作品が文庫化されたので、
手にとってみた、初めての島本作品。
もっとさらっと読める恋愛小説だと思っていたのに
意外にも深く感情移入してしまった・・・
21歳の若さでこんな小説を書くなんて・・・
今回は、島本さんに脱帽。


物語は、泉と、もうじき結婚するはずの相手との会話から始まる。
「君は今でも俺と一緒にいるときに、あの人のことを思い出しているのか」
「そんなふうに見える?」
「見えるよ」
「それならどうして私と結婚しようと思ったの」
「きっと君は、この先、誰と一緒にいてもその人のことを思い出すだろう。
 だったら、君といるのが自分でもいいと思ったんだ。」

泉の回想(=ナラタージュ)は二十歳、大学2年の春へ。
想い続けていた高校時代の演劇部顧問、葉山先生から電話がかかってくる。
泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた、先生の秘密を思い出す・・・

葉山への想いを断ち切れない泉と、泉を想いながらも捨てられないものがある葉山。
ことばにしなくても、カラダに触れなくても、魂の深いところでわかりあえていることを知る2人。
お互いの感情はひとつなのに、決してその未来が重なる事はない。

泉を想うあまり、暴力的になってしまう小野くんのやるせなさも、また真実。
葉山を「ずるい男」と言う事はできる。
けれども泉は、自分にだけ見せる葉山の少年のように無防備な姿を見て思う。
「この人からはなにも欲しくない。ただ与えるだけ、それでおそろしいくらいに満足なのだ。」

一生に一度、こんな風に誰かを好きになれたら・・・
たとえその人と離れても、その想いを抱いて人は生きて行けるんだろうか?

でも、この本を読んで「つまらない」と思えたら、それはそれできっと幸せなことだと思う。
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Commented by yumemi-m at 2008-03-14 21:34
こんにちは、『ナラタージュ』お読みになったのですね!
単行本・文庫と読んで改めて思うのですが、泉の結婚相手の強さがとても素晴らしいですよね。冒頭と終盤近くにしか登場しないけれど、泉がそんな想いを持ち続けていると知っていながら、それでも泉を愛するのには、どれだけの強さが必要なのだろうと思います。
と言いつつ、単行本で初めて読んだ時にはそこまでは気持ちが回らなくて、ただひたすら泉と葉山を中心に読んでいましたが。
……でも、やはりこの作品に出てくる想いの形はどれも、とても貴重なものだと思います。この作品を知らずにはいたくないです。
Commented by ungalmatsu at 2008-03-15 21:44
★yumemiさんへ
同感です。
好きな相手が今までどんな恋愛をしてきたか
気にはなるけど知りたくない、というのが本音だと思うのですが
過去も含めてその人をそのまま愛する事ができる強さ・・・すごい。
小野くんは、あの後、きっと他の誰かと幸せになっているんじゃないかな?
料理もうまいし(笑)

何年かたってから、また読み返してみたい本です・・・・
by ungalmatsu | 2008-03-13 22:36 | 本を読む | Comments(2)