『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

レインツリーの国

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図書館戦争シリーズ②「図書館内乱」で
小牧が良化特務機関の査問会にかけられる、という
事件が起こります。
容疑は「未成年者及び障害者への人権侵害」。

そこで問題になる、劇中劇ならぬ“本中本”を
有川さん自身が書きたくなって書いちゃったのですね。
有川さんの《やや下心付怨念》(←図書館内乱あとがき)
に毒されて読みました(嘘)


『レインツリーの国』
   有川浩 (新潮文庫)



図書館シリーズとは違う出版社とのコラボという経緯もおもしろいのですが
それはさておき、これだけで十分独立して楽しめる恋愛小説。

「レインツリーの国」というブログの管理者ひとみと
そこに書かれていた、とある本のレビューに惹かれた伸との物語です。

私自身、ブログを通じて実際に友達になった経験がアリアリなので
そのあたりの流れは、すごく自然に受け止められます。
やっぱり文章から人柄ってわかるもんで、実際会ってみて「思った通りの人だ!」ってことがほとんどで
だからこそいまだにその付き合いが続いているのだけど
もしそれがひとみのような聴覚障害者だったらやっぱり戸惑うかなぁ?


ひとみは、1回会うだけならわからないかも、と健聴者のふりをし、
伸は最初、それを隠されたことに怒ります。
友達だったら許せたのかも知れない。でもメールのやり取りで既に好きになりつつあったから・・・

人間誰しも触れられたくない部分を持っていて
それは思い出したくない過去だったり、人間関係の深い溝だったり、中途失聴者のひとみのような障害だったり
たぶんその苦しみは相手に100%理解はしてもらえないもの・・・
だからこそ、言ってもわからないって僻むだけじゃなく
『お互い完全には理解できない』ことを大前提に、
1度でも痛いところを突いたり突かれたりした(決して“傷つけ合う”のが目的じゃなく)相手とは
ちょっと深いところで付き合えるんじゃないかなって思います。
だって言うべき時に(←ここ大事)、言いにくいことを言ってくれる相手ってのは
そうそういませんもん。

ひとみも伸も戸惑いながら、ちゃんとぶつかって変わっていく過程が良いです。
言葉は時々突っ走るけど、“待てる”男、伸もエライな。
自分もいっぱい抱えてて、それでも
「いろんな物事にフラットになるには、ハンデやコンプレックスがあるときついねん。」とか言えちゃったり。

有川さんの小説の大きな魅力の1つは会話のテンポだけど、
この本ではメールがメインなのでそれはちょっとゆっくりめ。でもやっぱりそこがおもしろい(^^)
メールだと盛り上がるのに、会って話すとギクシャクする、なんて普通にあり得る状況だもの。
見た目にはわかりにくい聴覚障害について、すごく勉強された上で書かれていることもよくわかるけれど
しっかり恋愛小説ってとこが素晴らしい、と思いました。




という内容だったことがわかって、図書館内乱のあのエピソードに戻ると
これまた印象的な言葉がいっぱい・・・

「人権侵害」とは、要するに難聴者である毬江に、この本を勧めたこと。
でもこの本を読んだ高校生の毬江が、10歳も年上の健聴者の男、小牧を救う。


「障害を持っていたら物語の中でヒロインになる権利もないんですか?私に難聴者が出てくる本を勧めるのが
酷いなんてすごい難癖。差別をわざわざ探してるみたい。」



男とか、女とか、年上とか、年下とか、健常者とか、障害者とか、関係ない。
好きな人が窮地に陥ってたらt助けたいと思うでしょ。



このエピソードで一番カッコいいセリフはこれでした。

「何ソレ心配かけたくないとか男のプライド!?あんたらそんな傍迷惑なもん捨てちまえっ!」


郁に拍手!
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by ungalmatsu | 2011-07-21 00:16 | 本を読む