『小確幸』探求の日々

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毎日なんかいいこと見つけよう!大好きな「押尾コータロー」さんの話題を中心に・・・ほとんど休眠中の気まぐれブログです。悪しからず。

みずうみ

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5本目の“ばなな”です。
偏食気味(^^;?

「みずうみ」
  よしもとばなな










これまで読んだばななさんの小説は、
どれも非常に“効き”ました。
もちろん私には、であって、誰にでも、ではないと思うけれど、
『キッチン』が背中を少し押してくれたように
『ハゴロモ』が不思議な縁を信じさせてくれたように
『うたかた/サンクチュアリ』が希望をちょっと見せてくれたように
『デッドエンドの思い出』が幸せな感じを思い出させてくれたように、
つたない言葉を並べるよりも、ばななさんの本を渡して読んでもらえばいい・・・
好きなのに、なぜか、うまく感想をまとめることができないので・・・

この人の小説を読んだ時に、切なさがひしひしと伝わってくる中で
心のどこかがふっとゆるむ、その感じが私は好きなのだと思います。
そこに、「誰が見ても幸せそうな幸せ」はなくても、
登場人物たちが辛い(しかも割と特殊な)体験をしていても、
目を閉じないでちゃんと自分の足元を見ている、というか。
だから読んでいるほうも、切なくてたまらないのに
「何だかいいなぁ」なんてついつい思ってしまうのかも知れません。
あとはそこに存在する「沈黙」、あるいは「間」、あるいは「距離」。
だってそれを心地よいと思うことは、お互いが相手を認め合っていて、
しかもどんなに親しくなっても相手の踏み込んではいけない領域に
入ったりしないという信頼関係があると思うから。
それは相手が恋愛の対象であろうとなかろうと・・・・



この『みずうみ』は“再生”の物語です。

過去にとんでもなくひどい経験(物語の最後で、それは明らかになる)をした中島くんと
ちひろが一緒にいるのは、“ただの必然”と中島くんは言うけれど、
ちひろと一緒にいることで再び中島くんの時間が流れ出します。

中島くんには本当に弱いところがあって
「ここは感動して男が女を抱きしめて、女が泣くシーンじゃないか?」というところで
中島くんのほうが泣いちゃったりするけれど、そんな中島くんと一緒にいることで
いろんなことから確実に回復していく、ちひろ自身の目線にたってみると
預言者のようなチイやミノくんといった不思議な存在も、“あり得ること”として
読みながらすんなり受け入れられてしまう・・・・これは“ばななマジック”?

「心配しあって、抱き合って、いっしょにいたがるだけではなくて、じっと抑えているからこそ
絶対的に伝わってくる」ような、ちひろとパパの愛もあります。

中島くんの存在のあまりの真剣さに戸惑いながらも受け入れようとするちひろの願いは
「ただこの世にい続けようとしてほしい。戦ってよ。」

その希望を持って物語りは終わります。(この“終わり方”も私のばなな好きな理由のひとつ)


『みずうみ』は、過去にとらわれて動けない(と思い込んでいる)頑なな心を
解きほぐす力があるのかも・・・この本も、私には効きました(^^)
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Commented by teru at 2009-01-21 22:41 x
最近は「ばなな」さんがお気に入りなのですね。
私は初期の頃の作品が好きで、新刊が出るたびに買っていたのだけど、だんだん話がマニアックになってきた頃からちょっと離れてしまい、それっきり・・・。
最後に読んだのは「アムリタ」のあたりだったかな。
考えてみると、その頃から私の「活字離れ」が始まったような気がする(笑)
「みずうみ」は読んでいないので、今度探してみようかな。

ちなみに、そんな私が一昨年の「吉野行き」をきっかけにまた少しずつ本を読み始めました。
新幹線での暇つぶしに、と選んだ作品が、森絵都さんの『カラフル』。
最近読んだ『ラン』もそうだけど、読み終えた後に周りの人たちが愛しく思えてくるところがお気に入りです。
私も読んだ本のブックレビューを書きたいんだけど、なかなか上手くまとめられなくて、いつも断念。
うんぎゃるまつさんは、本の感想に限らず、日常を綴るのもとても上手ですよ!
ほんと、うらやましいです・・・。
Commented by ungalmatsu at 2009-01-22 19:53
★teruさんへ
「ばなな」さんばっかり読んでるわけではないんだけどね(^^;
今まで食わず嫌いだったし、私のほかにも割とそういう人多いみたい?
でもばななさんの本は、私にとって良い本の条件である
“何度も繰り返して読める”というポイントを難なくクリアしてるので
気付いたら読み返してたりします。
そう、最近は一度消化済みの本を何度も何度も再咀嚼する、という
まるで牛のような(笑)読書生活を送ってるんですよね、実は・・・

今までほぼ直感で選んだ5冊の本は、どれも私の好きな世界だけど
そうじゃないものももちろんあると思います(^^;
読んでみないとわからないけど!
でも『みずうみ』は、何となく、だけどteruさんにも気に入ってもらえるような気がする・・・
今の時期だと本屋の割と目立つところにあるので
もしそのうち本屋で呼びとめられたら手に取ってみてね(^^)
by ungalmatsu | 2009-01-21 20:44 | 本を読む | Comments(2)